生まれた時から私はお姫さまであり、ゆくゆくは世界を統べる王になるのだと、繰り返し繰り返し、言い聞かされて育ってきた。長時間椅子に座り続ける練習も、重たい王錫を振る練習も、威厳を持って命を発する練習も、全て優れた女王になるための鍛錬なのだという。
優れた女王であるならば、臣下に死罪を言い渡さなければならないこともある。もちろん心苦しいことではあるが、止むを得ないものでもある。
私が判決を告げると、彼は項垂れた。長い時間が流れた。彼はのろのろと立ち上がり、お手製の絞首台で首を吊った。
振子時計の振子みたいに死体は揺れていたが、やがて停まった。
私は椅子に腰かけてそれを見上げていた。
王錫代わりの麺棒を手放し立ち上がる。
六畳一間の狭い部屋の中で、私は一体何者なのだろうと考えてしまう。