対岸までの距離は数キロメートルしかないにも関わらず、湖岸には様々な漂着物が流れつく。ペットボトルやビニール袋に混じって、くまのぬいぐるみ、ボールペン、家電製品のマニュアル、USBケーブル、切手など。
対岸側でも同じことが起こっているらしかった。お互い漂着物を持ち寄って持ち主を探そうとしたが、ついに持ち主は見つからず、いつしか交流は絶えて漂着物が湖岸にうず高く積まれるようになった。
時々、近所の子供が漂着物の中から自分だけの宝物を見つけて持っていく。それを咎める大人はいない。
月に一度、市に頼んで漂着物は処分してもらう。