2005年8月17日水曜日

アメリ

 爺様はお池の上にぷわぷわ浮かぶアメリに、よく話しかける。アメリや、と爺様が呼ぶ度に、アメリは自分が呼ばれた気がしてその方を向いて小首を傾げるのだが、すぐに爺様の家の屋根の向こうの空と雲を見てしまうのだ。
 アメリや。
 爺様が呼ぶ度にアメリは呼ばれた気がして小首を傾げる。

 アメリは未だに翔べずにいる。





 500文字の心臓の、8月14日〆切の自由題に出そうと思って出しそびれたもの。今朝気づきました。
 ちなみに、出しそびれたのはコミケで浮かれてた所為です。
 ぐるっと選者さんが一周してくるのを待てばいいんだろうけど、その頃にはきっと綺麗さっぱり忘れてる。自信ありますよ、ええ。
 せっかく人に見せるために仕上げたのに、お蔵入りさせるのは悔しいので晒します。

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