2008年2月26日火曜日

キリンの滑り台のある公園

「キリンの滑り台のある公園」

 初々しい少年少女の真夜中の告白を、ぐっと息を潜めて聞き耳立てる影がある。
 だが一人ではない。
 ペンキの剥げたブランコの上に十三人、壊れたシーソーには両端に九人ずつ、キリンの滑り台には梯子から斜面までぎっしり二十人ちょうど。他にも水のみ場には六人、植え込みに至っては八十人をゆうに越すだろう。
 ずっと前から好きでした、付き合ってください!


























 そよ風に吹かれた花のように少女が小さく頷いた。
 同時に耳を劈くばかりのクラッカーの音。指笛。大喝采! 

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