2006年7月29日土曜日

2 地図にない国

 空に続く坂道をぐんぐん上り、ついに一面夏の空! 白く濃い雲から視線をゆっくり下に下ろす途中で、空飛ぶ艇がのんびりと飛行するのを見つけた。一つ、二つ。三つ。さらに視線を下ろしていくと、背の高い塔がいくつも生えているのが見える。と思ったらそれは城だった。石煉瓦の尖塔の天辺から王国の姫君だろうか、誰かが頬杖を突いて顔を出している。城門は開け放たれ、そこから赤煉瓦が敷き詰められた道が真っ直ぐ走っている。豆粒みたいな馬車が行く。
 はて、と思い僕はリュックサックから地図を取り出し、自分が歩いた道を指でなぞって確かめる。
 うーんと唸って顔を上げると、そこは緑の平原。地平線は見事に円い。



 お題第二弾。
 どう見ても遅筆です。ありg

 次は『ふりむいてはいけない』

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