2007年5月29日火曜日

未来のある日

「未来のある日」

 いつか終わることすら忘れていたくらい永い夢から醒めると、僕はひとりぼっちだった。人類はとうの昔に絶え、地球は何千年もの荒廃の時代を経て緑に覆われ、文明の名残は微塵もない。いや、初めからなかったのかもしれない。
 僕は時を数えるのも忘れて地表を巡り、世界の天辺に至る。星はしばらく見ないうちに随分と配置が変わっていた。見下ろす景色は一面緑、緑、緑、生命の寝息のリズムが聞こえる。ほら、夜が明ける。



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