「私がダイヤモンドだ」
ジャングルジムの丘に立つ勇者が、砂場の谷を隔てて滑り台の山のダークプリンスと対峙する。じりじりと灼熱の太陽が地表に迫り、太陽を横切る鳥も雲もない。おもむろに、勇者が宣言する。
「私がダイヤモンドだ」
これは、実は先日、勇者が両親とテレビの二時間ドラマを見ていたときに主人公の少年が銃を両手に構えて言ったセリフである。宝石店の店主が両手を挙げて助けを請いながらもその瞳は憎しみで煮えたぎっていて、また主人公も譲る気など全くなく、長時間の睨み合いの末に彼はそう言ったのだった。そして、少年は発砲し、決して幸せではないがとてもかっこいいエンディングを迎えた。つまり、この言葉はそういう言葉なのだ。
賽は投げられた。少年は丘を下り谷を越え、斜面を駆け上り逃げる仇を追跡する。仇は仇で、なんとなくかっこいい、と思っていることなど勇者は知る由もない。
腰が痛いのだぜ。
色々考え事をしていたらすっかり寝るのが遅くなってしまったのだぜ。
0 件のコメント:
コメントを投稿