2009年1月12日月曜日

あけました

 あけました。おめでとうございました。1月もぼちぼち半ばに突入しようかという頃になって参りました。
 局所的にはぼちぼち動いておりますが、改めてどうぞ今年も御愛玩のほどよろしくお願いしますだワン。

 今年は色々活動的になってみたいなあ、なんて思えど目先の卒論とか卒論とか卒論とかやっつけない限りは足踏み状態が続きそう。資料に埋もれているのは楽しいのですがねー、書き物に打ち込めないのが、こう、歯痒い、くぅ。



 去年色々頑張った自分へのご褒美として、先日BOOKOFFなんぞに駆け込んで105円文庫を買い漁ってみた。わびしいなんて言っちゃダメ。
 で、その中のジャック・フィニィ『ゲイルズバーグの春を愛す』(※短編集)を読んでいるのだけどもこれが中々楽しい。
��こう言うのも失礼かもしらんけど、)たぶん世間一般で言うところの名作にはならない作品だと思う。特別目新しい描写があるわけでもないし、胸の奥底に突き刺さるような感慨があるわけでもない。ざっくばらんに言ってしまえば、つまらないわけですよ。ところがそのつまらなさが、面白い。A級にはなくてB級C級にしかない味わいがなかなか癖になる。そういう味わいを感じてみて、改めて、ああ楽しいなあと思う。
 例えば、同書内の「悪の魔力」のくだりに、主人公が“服の薄い生地が透けて見える眼鏡”を掛けるシーンがありまして。

 女は店のショーウインドウを覗きながら、歩き続けていた――ところがその身には、ブラジャーとレースの縁取りしたパンティーと、ハイヒールしかつけていないのだ! よくよく見ると、まるで幽霊のようにほとんど透明な服が、歩くたびに身体のまわりでゆれているのが見えた。ぼくは眼鏡をひったくるようにはずしてみた、とそのとたんに服はまたもとどおりの、薄くはあるが透き通ってはいない生地のものにもどった。ぼくは、その女が視界から消える前に大いそぎで眼鏡をかけた――すると服はまたもや消えうせた――彼女は、ほとんど見えなくなり、不思議なもやのようになった服を身体にまといながら、そのみごとな姿態をさらして、腰をふりふり歩み去っていった――。

 このくだらなさが伝わればいいなあ。

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