2007年5月21日月曜日

除夜

「除夜」

 こたつに突っ伏し除夜の鐘を聞く。テレビから流れる音なのか近所の寺から流れる音なのか不確かであるが、鐘の音であることに間違いはなく、ひとおつ、ふたあつ……夢現に聞く。百八ある鐘の音が一列に並び鼓膜を撫ぜるのだが、そのうちの一つがひどく気弱で私はその訪れに気付かない。全てが鳴り終えた後で、まだ一つ足りないじゃあありませんか、むにゃむにゃ呟くと気弱なそれが申し訳なさそうに鼓膜に触れ、わざわざありがとう、と私は告げる。年越し蕎麦を食べ損ねた!

 

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