2007年8月14日火曜日

ヘブンズドア

「ヘブンズドア」

 砂利が敷き詰められた部屋を走る線路が、ある一点を境に裏返り捩れ宙へ当て所なく伸びている。男は煙草の火を踏み消すとその先を見上げた。並行を保ったまま迷走する二本のレールは鼠色に鈍く光り、灰色の壁と同化している。一体誰がこんな下らないものを作ったんだろう、古代の蛮族だってこれほどつまらない宗教は持たなかっただろうに。
 壁で遮断された線路の向こうから汽笛の音が聞こえる。レールの振動に合わせて枕木がかたかたかたかたかたかたかたかた地から空から音が交差する。男はこの先に行くことは求めていなかった。
 間もなく列車が壁を突き破り瓦礫を撒き散らすのと同時に床が抜け、ばらばらと灰色の砂利が、灰色の瓦礫が、灰色の男が落ちていく。疾走する車両の前から五両目、窓から身を乗り出す誰かの顔は彼方の天のまばゆい光の影になって全く見えない。





 塩野七生のローマ人の物語をがりがり読む。カエサルかっこいいよカエサル。

 集英社のナツイチのハチストラップが集らない。全九種類(女王バチ含)のうちの四種類まで集めたのに。買えども買えども種類が被る。販売戦略に乗せられたっていいじゃあありませんか、可愛いんだもの。白とオレンジの浮き輪に嵌りながら本を読んでいるのが頗る可愛い。和。

 この頃の食事の半分は果物だったりする。桃に梨にキウイにリンゴに、もう、ほっこり。特に桃は剥くと手が汁でべったりになるので、後になっても手に匂いが残ってて何だか得した気分。香水の代わりになるん? ならんか。

0 件のコメント:

コメントを投稿