2009年12月5日土曜日

偽物の世界

「偽物の世界」

この世はまさに偽物どもの楽園さ。

一 偽物たるもの存分に個を主張せよ
ニ 偽物たるもの堂々と日の下を歩くべし
三 偽物たるもの己の身分を確らしくする努力を怠るべからず――真実を真実と証明することもまた難しいので諸君らの努力が実を結ぶことは大いにあり得るのだ!
四 されど偽物たるもの本物あってこその価値と知れ
五 偽物たるもの偽物であることそのものを糾弾する者には容赦ない鉄槌を食わせよ
六 偽物たるもの傲慢と謙虚の何たるかを知るべし
七 偽物たるもの常に明日を見るべし

ほらほら今日も扉を開けるヒヨコがいるぞ。ここがホントに楽園か、じっくり試してみてごらん。

��**

インフルにかかってしまったので布団の中でぽちぽちとケータイで書いてみる也。
��00字くらい・推敲(基本的に)ナシ・一発勝負、という縛り(Mなのか)(Mなのだ)。

そんなわけで今日から復活だー(仮)、と勇んでみたはいいもののなんだか世間様は週末でお休みモードに入るらしい。
明日は文フリなるものがあるらしいけど、うん、「へんぐえ」売れるといいよね。


微熱と熱の境目をうだうだしているときに小川洋子『密やかな結晶』を読む。一度目に読んだときに大変えらく気に入って、自分の中のお気に入りベスト10に入っていたのだけども、やっぱりよかった。前回読んだのがもう二年か三年くらい前になるけど、相変わらずうっとりするくらい文章が綺麗だった。うん、良い。
何かを失くしたり、何かを見つけたりする話が個人的嗜好に大変合うらしい。何かを追いかけてどこかへ行ってしまうような話も良い。逆に、スリルやサスペンス、ドタバタ系コメディーのようなものはあまり好きじゃないらしい。広さ、果てしなさ、茫洋としたもの、そういうものが感じられるものはとても、とても、大変、目茶苦茶好き。
そんなものが読みたい! という欲求の下でつい手を出してしまったのが壁井ユカコ『キーリ』。これも既に一回読んでしまったものなので結末はもう知っているけども、そんなことは問題じゃない。もう世界中を旅し尽した、世界の広さを肌で知ってしまった(と思っていた)ハーヴェイが最後の最後で未だ自分が知らない世界に到達するシーンがたまらなく良かった覚えがある。ここでそうくるか、くーっ、と鼻息が荒くなったことはよーくよく憶えている。あの感覚をもう一度。オヌヌメ。

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