「オレンジ色の人」
夕日をつまんで引き寄せ、ハサミで人型に切り取るとたぶんこんな風になるのだろう――。
その時私はとても冷静だった。ひっと息を呑んだ弟を背中に隠し、のっぽなそれを見上げていた。視界の端に鋼鉄のシャベルを確かめた。いつでもそれで弟を守れるように。砂場で静かに火花を散らせていた。
私はそれをオレンジ色の人と呼んだ。弟はまったく覚えていないという。おそらく実際のところも、近所のおじいさんが様子を見に来たとかその程度のものなのだろうと思う。昔殺したミミズが化けて出たのだと考えたこともあった。けれど真実は誰にもわからない。蜜柑を食べて黄ばんだ指先を見ると今でも鳥肌が立つ。
��**
三が日は今日まで。
明日から本気出す。いやマジで。
0 件のコメント:
コメントを投稿