「不協輪音」
わ、わ、輪。
三重のかごめかごめ、歌いながら一人の周りを回る。くるくる回る。
しかし歌のテンポと回る足取りのリズムと皆の初期位置がわかれば、"うしろのしょうめん"が誰かを当てることは容易いのである。
しょうちゃん、ゆうくん、りかこちゃん!
あれ?
��**
ひょーたくんとこのお題その三。
2009年12月22日火曜日
空中花
「空中花」
空に根を張る花の花畑が風に翻りて空一面に花が咲き天地がひっくり返ったような心地の花畑が空に根を張り風に揺れている。手を伸ばして花弁をついと引っ張ってみれば根までするりと抜けるのでそこいらに適当に植え換えた。
��**
ひょーたくんのお題その四。
矛盾もまたふわふわ感の内になるかどうかとりあえず時間を置いてから判断してみようと思ってこうする也。
空に根を張る花の花畑が風に翻りて空一面に花が咲き天地がひっくり返ったような心地の花畑が空に根を張り風に揺れている。手を伸ばして花弁をついと引っ張ってみれば根までするりと抜けるのでそこいらに適当に植え換えた。
��**
ひょーたくんのお題その四。
矛盾もまたふわふわ感の内になるかどうかとりあえず時間を置いてから判断してみようと思ってこうする也。
2009年12月7日月曜日
謎ワイン
「謎ワイン」
――(無記名)1918年――
人というものは、扱うものの種類が増えるとそれらを整理し管理するために分類を行う。製造方法、品種、産地、製造年月日に製造者、区別できるものなら何でも区別したがる。そうして分類した挙句ブランドを作ってありがたがったりと、とにかく人というものはせわしない。
だから謎ワインのようなものが現れる。
謎ワインは世界中のワインが集まるワインセラーの片隅に身を潜めていた。フランス産、山梨生まれ、そんなワイン達の間にそ知らぬ風に紛れていた。
しかし人は愚かなので、ラベルに書いてある記述を疑わない。正確には、たとえばフランスや山梨といった名を持つ地が世界のどこかにあると信じてしまう。謎ワインは人のそんな油断につけ込んだ。存在しない土地で人々の知らない方法で醸造され、進化の系譜から忘れ去られた葡萄の親戚で作られた謎ワイン! ラベルに記された情報は嘘ではないけど本当だとは誰にもわからない。
ただし確かなのは、それはグラスに注ぐと処女の生き血を固めた宝石のように見え、そして美味であることのみである。
��**
というようなものを書いてみたものの、気に入らなかったので没。
あまりにもそのまんますぎる。
今回はお手上げ。
――(無記名)1918年――
人というものは、扱うものの種類が増えるとそれらを整理し管理するために分類を行う。製造方法、品種、産地、製造年月日に製造者、区別できるものなら何でも区別したがる。そうして分類した挙句ブランドを作ってありがたがったりと、とにかく人というものはせわしない。
だから謎ワインのようなものが現れる。
謎ワインは世界中のワインが集まるワインセラーの片隅に身を潜めていた。フランス産、山梨生まれ、そんなワイン達の間にそ知らぬ風に紛れていた。
しかし人は愚かなので、ラベルに書いてある記述を疑わない。正確には、たとえばフランスや山梨といった名を持つ地が世界のどこかにあると信じてしまう。謎ワインは人のそんな油断につけ込んだ。存在しない土地で人々の知らない方法で醸造され、進化の系譜から忘れ去られた葡萄の親戚で作られた謎ワイン! ラベルに記された情報は嘘ではないけど本当だとは誰にもわからない。
ただし確かなのは、それはグラスに注ぐと処女の生き血を固めた宝石のように見え、そして美味であることのみである。
��**
というようなものを書いてみたものの、気に入らなかったので没。
あまりにもそのまんますぎる。
今回はお手上げ。
2009年12月5日土曜日
偽物の世界
「偽物の世界」
この世はまさに偽物どもの楽園さ。
一 偽物たるもの存分に個を主張せよ
ニ 偽物たるもの堂々と日の下を歩くべし
三 偽物たるもの己の身分を確らしくする努力を怠るべからず――真実を真実と証明することもまた難しいので諸君らの努力が実を結ぶことは大いにあり得るのだ!
四 されど偽物たるもの本物あってこその価値と知れ
五 偽物たるもの偽物であることそのものを糾弾する者には容赦ない鉄槌を食わせよ
六 偽物たるもの傲慢と謙虚の何たるかを知るべし
七 偽物たるもの常に明日を見るべし
ほらほら今日も扉を開けるヒヨコがいるぞ。ここがホントに楽園か、じっくり試してみてごらん。
��**
インフルにかかってしまったので布団の中でぽちぽちとケータイで書いてみる也。
��00字くらい・推敲(基本的に)ナシ・一発勝負、という縛り(Mなのか)(Mなのだ)。
そんなわけで今日から復活だー(仮)、と勇んでみたはいいもののなんだか世間様は週末でお休みモードに入るらしい。
明日は文フリなるものがあるらしいけど、うん、「へんぐえ」売れるといいよね。
微熱と熱の境目をうだうだしているときに小川洋子『密やかな結晶』を読む。一度目に読んだときに大変えらく気に入って、自分の中のお気に入りベスト10に入っていたのだけども、やっぱりよかった。前回読んだのがもう二年か三年くらい前になるけど、相変わらずうっとりするくらい文章が綺麗だった。うん、良い。
何かを失くしたり、何かを見つけたりする話が個人的嗜好に大変合うらしい。何かを追いかけてどこかへ行ってしまうような話も良い。逆に、スリルやサスペンス、ドタバタ系コメディーのようなものはあまり好きじゃないらしい。広さ、果てしなさ、茫洋としたもの、そういうものが感じられるものはとても、とても、大変、目茶苦茶好き。
そんなものが読みたい! という欲求の下でつい手を出してしまったのが壁井ユカコ『キーリ』。これも既に一回読んでしまったものなので結末はもう知っているけども、そんなことは問題じゃない。もう世界中を旅し尽した、世界の広さを肌で知ってしまった(と思っていた)ハーヴェイが最後の最後で未だ自分が知らない世界に到達するシーンがたまらなく良かった覚えがある。ここでそうくるか、くーっ、と鼻息が荒くなったことはよーくよく憶えている。あの感覚をもう一度。オヌヌメ。
この世はまさに偽物どもの楽園さ。
一 偽物たるもの存分に個を主張せよ
ニ 偽物たるもの堂々と日の下を歩くべし
三 偽物たるもの己の身分を確らしくする努力を怠るべからず――真実を真実と証明することもまた難しいので諸君らの努力が実を結ぶことは大いにあり得るのだ!
四 されど偽物たるもの本物あってこその価値と知れ
五 偽物たるもの偽物であることそのものを糾弾する者には容赦ない鉄槌を食わせよ
六 偽物たるもの傲慢と謙虚の何たるかを知るべし
七 偽物たるもの常に明日を見るべし
ほらほら今日も扉を開けるヒヨコがいるぞ。ここがホントに楽園か、じっくり試してみてごらん。
��**
インフルにかかってしまったので布団の中でぽちぽちとケータイで書いてみる也。
��00字くらい・推敲(基本的に)ナシ・一発勝負、という縛り(Mなのか)(Mなのだ)。
そんなわけで今日から復活だー(仮)、と勇んでみたはいいもののなんだか世間様は週末でお休みモードに入るらしい。
明日は文フリなるものがあるらしいけど、うん、「へんぐえ」売れるといいよね。
微熱と熱の境目をうだうだしているときに小川洋子『密やかな結晶』を読む。一度目に読んだときに大変えらく気に入って、自分の中のお気に入りベスト10に入っていたのだけども、やっぱりよかった。前回読んだのがもう二年か三年くらい前になるけど、相変わらずうっとりするくらい文章が綺麗だった。うん、良い。
何かを失くしたり、何かを見つけたりする話が個人的嗜好に大変合うらしい。何かを追いかけてどこかへ行ってしまうような話も良い。逆に、スリルやサスペンス、ドタバタ系コメディーのようなものはあまり好きじゃないらしい。広さ、果てしなさ、茫洋としたもの、そういうものが感じられるものはとても、とても、大変、目茶苦茶好き。
そんなものが読みたい! という欲求の下でつい手を出してしまったのが壁井ユカコ『キーリ』。これも既に一回読んでしまったものなので結末はもう知っているけども、そんなことは問題じゃない。もう世界中を旅し尽した、世界の広さを肌で知ってしまった(と思っていた)ハーヴェイが最後の最後で未だ自分が知らない世界に到達するシーンがたまらなく良かった覚えがある。ここでそうくるか、くーっ、と鼻息が荒くなったことはよーくよく憶えている。あの感覚をもう一度。オヌヌメ。
来年咲く花
「来年咲く花」
「来年っていつ?」
真顔で訊かれると私は困ってしまう。一日一日が三六五回来たら、カレンダーを十ニ回捲ったら、四季がぐるっと一周したら。どれも効果的な説明ではない気がする。
「いつ咲くんだろうねー?」
爆発する寸前で踏み止まる蕾。マンション七階のベランダの隅で"来年"を待っている。
――いつか咲くよ。
不意に口を衝いて出た「いつか」に腑に落ちる感覚を覚える。「いつか」がいつかと訊かれたら、来年、と答える他はないけれど、少なくともこの子にとってはより具体的な答えになるだろう。
「いつかかぁー。まだまだ先だねえ」
��**
ひょーたくんとこの10のお題より
「来年っていつ?」
真顔で訊かれると私は困ってしまう。一日一日が三六五回来たら、カレンダーを十ニ回捲ったら、四季がぐるっと一周したら。どれも効果的な説明ではない気がする。
「いつ咲くんだろうねー?」
爆発する寸前で踏み止まる蕾。マンション七階のベランダの隅で"来年"を待っている。
――いつか咲くよ。
不意に口を衝いて出た「いつか」に腑に落ちる感覚を覚える。「いつか」がいつかと訊かれたら、来年、と答える他はないけれど、少なくともこの子にとってはより具体的な答えになるだろう。
「いつかかぁー。まだまだ先だねえ」
��**
ひょーたくんとこの10のお題より
2009年11月16日月曜日
もう寝るよ。
「もう寝るよ。」
病んだ月は遠く離れたこの星からも明らかなほどに火照っていた。かと思うと急速に青白くなり、きゅっと身を縮こまらせ嘔吐する。じわじわと黄色だか緑だかわからない染みが濃紺の空を汚す。
「おかあさんを助けてください」
月の子どもを名乗る双子が目の前に立っている。にやにやくすくす、手には銀色のお盆。他所で集めてきたであろう錠剤や医学書や破れたぬいぐるみや虫食いの林檎が乗せられている。「そんなこと知るもんか」。そう言って顔を背けると双子は、感じ悪い人だね、感じ悪ーい、と私に聞こえるように囁き合ってフッと消えた。
もう寝るよ。
丘の一本杉の下で寝袋に包まる。誰に言うわけでもない。さめざめとした月光が降り注ぐ。病んだ月光は雑菌を蔓延らせ、今や目視できるほどの胞子が飛び交っていた――昼方、麓の川で村の子らがヘドロに手を突っ込み奇形魚を獲っていたことを思い出す。もう皆、永くない。繁る菌糸が寝袋を徐々に絡め取っているのを感じる。死んだ雛の眼から茸が生えているのを見る。銀色の牛車が月に昇る。月が嘔吐する。その軌道に沿ってアメーバみたいな染みができている。瞼を閉じる。何ものにも侵されない闇が広がった。
��**
タイトル競作「もう寝るよ。」出品。○:2 △:2 ×:3
お粗末。誤字なんてなかった!
もう:諦念、既に~、「もういいや」「もうどうでもいい」「もう終わった」
寝る:睡眠を取る、目を閉じる(→目を背ける)
よ:語りかけ、形式的ではない心情吐露のような
。:ピリオド、おしまい、断定
という具合で分解して考えてみると、このタイトルからは「お手上げ」「諦めた」という雰囲気がプンプン臭ったので上のようなものが出来上がった次第。厭世的なのです。
病んだ月は遠く離れたこの星からも明らかなほどに火照っていた。かと思うと急速に青白くなり、きゅっと身を縮こまらせ嘔吐する。じわじわと黄色だか緑だかわからない染みが濃紺の空を汚す。
「おかあさんを助けてください」
月の子どもを名乗る双子が目の前に立っている。にやにやくすくす、手には銀色のお盆。他所で集めてきたであろう錠剤や医学書や破れたぬいぐるみや虫食いの林檎が乗せられている。「そんなこと知るもんか」。そう言って顔を背けると双子は、感じ悪い人だね、感じ悪ーい、と私に聞こえるように囁き合ってフッと消えた。
もう寝るよ。
丘の一本杉の下で寝袋に包まる。誰に言うわけでもない。さめざめとした月光が降り注ぐ。病んだ月光は雑菌を蔓延らせ、今や目視できるほどの胞子が飛び交っていた――昼方、麓の川で村の子らがヘドロに手を突っ込み奇形魚を獲っていたことを思い出す。もう皆、永くない。繁る菌糸が寝袋を徐々に絡め取っているのを感じる。死んだ雛の眼から茸が生えているのを見る。銀色の牛車が月に昇る。月が嘔吐する。その軌道に沿ってアメーバみたいな染みができている。瞼を閉じる。何ものにも侵されない闇が広がった。
��**
タイトル競作「もう寝るよ。」出品。○:2 △:2 ×:3
お粗末。誤字なんてなかった!
もう:諦念、既に~、「もういいや」「もうどうでもいい」「もう終わった」
寝る:睡眠を取る、目を閉じる(→目を背ける)
よ:語りかけ、形式的ではない心情吐露のような
。:ピリオド、おしまい、断定
という具合で分解して考えてみると、このタイトルからは「お手上げ」「諦めた」という雰囲気がプンプン臭ったので上のようなものが出来上がった次第。厭世的なのです。
2009年11月11日水曜日
空気より軽い氷の舟、鉄より重い泡の錨
「空気より軽い氷の舟、鉄より重い泡の錨」
空のずーっと高いところに空気より軽い水が浮かんでて、私のおじいさんはプロペラ機に瓶を積んでそれを集めに行ったの。無味無臭で無色のそれは蛇口を捻れば出てくる水と同じように見えたけれど、空気よりずっと軽いから肉厚のガラス瓶程度ではすぐにぷわぷわ浮かんでしまうのよ。
海のずーっと深いところに海水より重い泡が沈んでて、わたしのおかあさんは潜水艦に瓶を積んでそれを集めに行ったの。無味無臭で無色のそれは普段吸っている空気と同じように見えたけれど、鉄よりずっと重いから肉厚のガラス瓶程度ではすぐに内圧で割れてしまうのよ。
時は満ちた。
晴れやかなパレードに見送られて空気より軽い氷の舟はぐんぐん空の高い方へ登っていく。七色の風船群は遥か眼下に。
普通の氷は水より軽くて空気より重いので、ちょうど二つの境目で浮くけれど、この氷の舟は空気より軽いので、空気の海の水面まで浮かべるはずなのだ。人類初の宇宙船だ。きらきらと氷の粉の尾を引いて、時速1700キロメートルでのんびり巡回する。
��けれど氷の舟が溶けてしまったら、あなたは地に落ちてしまう。そうなる前に、錨を下ろしなさい。私たちがあなたをこちらに引き戻してあげるから)
甲板に溜った水を両手で掬って口に含むと、さっきよりぐっと体が軽くなった気がする。
まだまだ終わらない。終わらせない。もったいないから。
小指の先で泡の錨をもてあそぶ。その端を中指に巻き付けておこうか迷ってる。おしっこをして余分な水を抜いたらまた一段と体が軽くなった気がする。
月が近づく。まだまだ終わらせやしない。
��**
むふふのふ。ふふふのむ。
じゃー、25で! 二番目の候補は18だったけれど、25で。
空のずーっと高いところに空気より軽い水が浮かんでて、私のおじいさんはプロペラ機に瓶を積んでそれを集めに行ったの。無味無臭で無色のそれは蛇口を捻れば出てくる水と同じように見えたけれど、空気よりずっと軽いから肉厚のガラス瓶程度ではすぐにぷわぷわ浮かんでしまうのよ。
海のずーっと深いところに海水より重い泡が沈んでて、わたしのおかあさんは潜水艦に瓶を積んでそれを集めに行ったの。無味無臭で無色のそれは普段吸っている空気と同じように見えたけれど、鉄よりずっと重いから肉厚のガラス瓶程度ではすぐに内圧で割れてしまうのよ。
時は満ちた。
晴れやかなパレードに見送られて空気より軽い氷の舟はぐんぐん空の高い方へ登っていく。七色の風船群は遥か眼下に。
普通の氷は水より軽くて空気より重いので、ちょうど二つの境目で浮くけれど、この氷の舟は空気より軽いので、空気の海の水面まで浮かべるはずなのだ。人類初の宇宙船だ。きらきらと氷の粉の尾を引いて、時速1700キロメートルでのんびり巡回する。
��けれど氷の舟が溶けてしまったら、あなたは地に落ちてしまう。そうなる前に、錨を下ろしなさい。私たちがあなたをこちらに引き戻してあげるから)
甲板に溜った水を両手で掬って口に含むと、さっきよりぐっと体が軽くなった気がする。
まだまだ終わらない。終わらせない。もったいないから。
小指の先で泡の錨をもてあそぶ。その端を中指に巻き付けておこうか迷ってる。おしっこをして余分な水を抜いたらまた一段と体が軽くなった気がする。
月が近づく。まだまだ終わらせやしない。
��**
むふふのふ。ふふふのむ。
じゃー、25で! 二番目の候補は18だったけれど、25で。
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